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アパレルとは?ファッションとの違いや業種・職種について解説

突然ですが「アパレル」と「ファッション」は何が違うのでしょうか?

オシャレに興味がある方や、関連業界で働いている方には身近なワードかもしれません。

でも改めて考えるとボヤッとしていて、言葉で説明するのが難しいという方も多いと思います。

そこで今回は、アパレルとファッションの違いについて、それぞれ言葉のルーツに触れながら説明します。

またアパレル産業の構造やアパレル業界の業種や職種についても紹介しているので、これからアパレルで働きたいという方もぜひ最後までご覧ください。

 

※2023年9月8日に公開した記事ですが、リライト記事に必要な文言等を追記、その他の部分も修正して2024年4月18日に再度公開しました。

「アパレル」とは?「ファッション」との違い

畳んだニットを運ぶ女性

こちらでは「アパレル」と「ファッション」の意味の違いについて説明します。

「アパレル」の意味

「アパレル」とは、もともとフランス語の「appreiller(衣服を着せる)」が語源です。

「appreiller」は、中世の貴族や王族が身に着ける豪華な衣装を指していました。

その後に英語の「apparel」が大量生産される衣料の意味を持ち、日本では明治時代から「アパレル」というカタカナ語が使われるようになりました。

当初アパレルは西洋風の衣服や既製服のことを表していたようです。

そのため現在は布製の衣料としての意味合いを基本としていますが、実際に衣料品に関わる企業やブランドでは、洋服と合わせやすい雑貨や小物類なども幅広く取り扱っています。

またアパレルは、製造から流通に至るまでの工程も含んでいます。

つまり、ビジネスの視点で衣料関連の商品や産業を総称する言葉なんです。

「ファッション」の意味

「ファッション」は、ラテン語の「factio(作る)」に由来しています。

諸説ありますが、一般的には「作る」という意味から「流行を作り出す」という意味合いが生まれたとされ、トレンド感のある衣服そのものを表す英語「fashion」が誕生しました。

ファッションの語源をさかのぼると、アパレルよりも広い意味合いがあることが伝わってきますね。

では現在のファッションとは何でしょうか?

ファッションは、衣服だけでなく、コーディネートやライフスタイルそのものを表す意味でも使われています。

さらに「創造する」「表現する」イメージから、音楽や映画などの芸術的な文化とも密接に関わっています。

ファッション自体も芸術的な文化の一部であり、人々の感性や価値観を反映しています。

要するにファッションとは、その時代に生きる人や文化を表すクリエイティブなワードだと言えるでしょう。

「アパレル」と「ファッション」の違い

「アパレル」は衣料品や衣料品を取り扱うビジネスとしての意味合いが強いのに対し、「ファッション」は衣料品だけに限らず、ライフスタイルや芸術まで、幅広くクリエイティブな表現として用いられます。

例えば、私たちが普段着ている洋服、洋服を取り扱う販売員や関連する企業を表す時に使うのはアパレルです。

一方、ニュートロやレイヤードコーデなど、トレンドのスタイルを紹介する際はファッションを使います。

またアウトドアの好きな人がアウトドアに適した衣服やグッズを選び、キャンプやハイキングを楽しむライフスタイルをファッションという表現を使って説明することも可能です。

つまりアパレルとファッションの違いはビジネス的か、クリエイティブなニュアンスかによって分けて考えると良いかもしれません。

アパレル産業の構造について

マネキン3体

アパレル産業とは衣料品の製造から販売まで、流通に関わる全ての産業を表し、日本では昔からその長い工程を川の流れに例えて表してきました。

衣料品の材料を生産する仕事を「川上」といい、繊維や素材などを扱う企業や産業が含まれます。

次に川上のメーカーで作られた材料から製品を作る仕事が「川中」です。

川中は商品を企画・デザインして自社販売したり、小売店へ卸す企業や産業を表しています。

そして「川下」は、川中のメーカーから仕入れた商品を消費者に販売する仕事です。

ただし現在では流通システムが発達し、この分類には収まらないビジネスモデルも出てきました。

例えば川中と川下を合わせたSPA(製造小売業)は、仲介業を挟まないためコストを削減でき、販売効率を格段に上げられます。

新しいビジネスモデルや技術が導入され、アパレル産業は今後もますます多様化が進んでいくことでしょう。

アパレル業界の主な業種

メンズ ジャケット

こちらではアパレル業界の主な業種を紹介します。

■メーカー
メーカーは作り手、製造業者のことです。

アパレルでは衣料品の企画・製造を行い、百貨店や量販店へ卸す企業を指しています。
■小売業
小売業は作り手から仕入れた商品を販売する事業を表しています。

アパレルの場合、メーカーで製造された衣料品を販売する百貨店や量販店などのことです。
■SPA(製造小売業)
SPA(製造小売業)はSpeciality store retailer of Private label Apparelの略称で、企画・製造から販売まで一貫して自社内で行うビジネスモデルです。

もともとアメリカのアパレルブランドGAPが最初に提唱したと言われています。
■OEM
OEMはOriginal Equipment Manufacturing(Manufacturer)の略称です。

アパレルでは社内で製造手段を持たない企業が、自社で企画・デザインした商品を他社メーカーに生産委託することを表しています。
■ODM
ODMはOriginal Design Manufacturing(Manufacturer)の略称です。

アパレルでは社内で製造手段を持たない企業が、自社の企画に合わせて、他社メーカーにデザインを依頼。

サンプルの確認了承後に生産委託することを表しています。
■ファッションEC
ECはElectronic Commerceの略称で、電子取引、つまりインターネットショッピングのことを表しています。

アパレルではAmazonやZOZOTOWNのECサイトほか、現在大小様々な規模で新規参入が進んでいる分野です。

アパレル業界の主な職種

接客する女性店員

こちらではアパレル業界の主な職種を紹介します。

■販売員
販売員は来店されたお客様に商品を接客販売する職種です。

また、レジ・電話対応、ディスプレイ調整、商品管理、清掃など店舗の運営全般に関わる接客以外の仕事も重要。

実績や経験を積めば、ゆくゆくは店長やマネージャーとしてキャリアアップも目指せます。
■デザイナー
デザイナーは市場調査やトレンドからその動向の先を見極め、企画に基づいてデザインを作成します。

何枚もデザインをおこし、最終的なデザイン検討します。

そしてデザインが完成するとパターンの作成です。

MDやパタンナーほか、常に周囲との連携を図りながら作業を行います。
■パタンナー
パタンナーはデザイナーが描き起こしたデザインから型紙(パターン)を作製する職種です。

そのためデザイナーと綿密なコミュニケーションをとり、その意図を理解しながら作業を進めることが必須。

また、現在ではCADを使った作製が主流になっているので、CADソフトウェアの使用経験や操作への理解があることが望ましいです。
■マーチャンダイザー(MD)
マーチャンダイザー(MD)は市場やトレンドを分析して商品を企画・開発し、販売計画や予算を管理するプロデューサー的な職種です。

社内外のさまざまな部署の人と関わりながら仕事を進めていくので、アパレルの知識だけでなく、マーケティングやコミュニケーションのスキルも必要です。
■バイヤー
バイヤーは企画に基づいて自社の店頭に並べる商品を他社から買い付け、商品管理する職種です。

各地の展示会や工場へ出向くことはもちろん、海外へも買い付けに出張することがあります。

価格交渉力や語学力も重要な職種ですね。
■生産管理
バイヤーが他社から商品を買い付け管理するのに対し、生産管理は自社商品の生産を管理する職種です。

販売計画に基づき、パターン化された商品の材料手配します。

さらに原価交渉しメーカーや工場へ発注、納品するまでの一連を管理します。
■ディストリビューター(DB)
ディストリビューター(DB)は商品在庫を分配・調整する職種です。

発注した商品を店舗へ分配したり、各店舗の売上状況や顧客状況など見ながら店舗間での商品移動したりします。

また近年ではECサイト用在庫確保のため、店舗からの商品引上げや再分配することもあります。
■プレス(広報)
プレス(広報)はブランドの顔として商品の宣伝・PR活動を行う職種です。

TVや雑誌などへ商品貸し出しを行ったり、展示会の準備を行います。

「どのメディアに商品を出せば効果が大きいか」「誰に着てもらうのがイメージに合うか」など、伝わりやすいビジョンを考えるスキルが必要です。
■営業
アパレルの営業は百貨店や量販店などへ商品を売り込むことが主な仕事です。

自社商品の営業や新規取引先の開拓、販促イベントの企画、展示会での商談など、幅広い役割を担っています。

つまり他企業との窓口として、他部署と連携しながら売上を作る重要なポジションです。
■ECサイト運営
ECサイト運営は自社ECサイトの管理・運営に携わる職種です。

顧客対応、商品の仕入れや在庫管理、データ分析、システムの改善など多岐に渡ります。

商品を実際に手に取って見ていただけない分、「イメージと違う」といったクレームにならないよう商品の撮影・採寸・原稿には細心の注意を払います。

まとめ

ラックに掛かった洋服 マネキン

あいまいになりがちなアパレルとファッションですが、それぞれの言葉のルーツを知ると違いが分かりやすいのではないでしょうか?

また、多様化が進むアパレル業界にはさまざまな業種や職種がありますが、今回紹介したものはその一部です。

アパレルの仕事では経験を重視することが多く、目指す職種によっては服飾系の大学や専門学校に通う必要もあるかもしれません。

これからアパレルで働きたい方は、しっかりと情報収集して自分にあった仕事を見つけましょう。

 

最後までご覧いただきありがとうございました。

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By ヒデム

元アパレル販売員のヒデムです。ジュエリー業界への転職を経験しているので、アパレルに対して客観的な視点も持っています。当ブログでは、ファッションや仕事選びに関する情報を発信していきます。